こんな疑問をお持ちの方に向けて、この記事ではオーストラリアと日本の教育制度の違いを簡単にご紹介します。
オーストラリアは留学先としても人気の国です。
私自身、過去にオーストラリアに留学した経験があり、現在はオーストラリアで3人の子供の母です^ ^
この記事を書いている私は日本で生まれ育ち、大学卒業まで日本の教育制度のもとで学びました。
一方で、私の3人の子たちはオーストラリアの教育制度の中で成長しています。
オーストラリアの教育制度|日本との違い
オーストラリアの教育制度は、基本的には国の基準に基づいています。
ただし、教育の管轄は週ごとに行われているため、州によって細かな違いが見られるのが特徴です。
この記事では、州ごとに異なるポイントや全体的な特徴について、日本の教育制度との違いを交えながら紹介します。
オーストラリアの教育制度|義務教育は日本と同じ?
オーストラリアの教育制度についてクイーンズランド州を例に、日本との違いを交えてご紹介します。
オーストラリア | 日本 | ||
Prep | Prep | 幼稚園年長 | |
Primary School | Year1 | 小学1年生 | |
Year2 | 小学2年生 | ||
Year3 | 小学3年生 | ||
Year4 | 小学4年生 | ||
Year5 | 小学5年生 | ||
Year6 | 小学6年生 | ||
Secondary School |
Junior Secondary | Year7 | 中学1年生 |
Year8 | 中学2年生 | ||
Year9 | 中学3年生 | ||
Year10 | 高校1年生 | ||
Senior Secondary | Year11 | 高校2年生 | |
Year12 | 高校3年生 |
また、以前はYear7(中学1年生相当)までがPrimary School(小学校)でした。
しかし、2015年の改正により、Year6までが小学校となり、Year7からはSecondary School(中学生・高校)に移行する形となりました。
Prepプレップは義務教育ではありませんでしたが、2017年からYear1(小学1年生)への準備段階として義務化されました。
プレップ(Prep)に入学するには、その年の6月30日時点で満5歳であることが条件となっています。
オーストラリアでは、Year12(高校3年生)を卒業後、日本と同様に進学・就職の選択肢があります。
以前は大学進学に必要な評価基準としてOP(Overall Position)が用いられていましたが、2020年から新しくATAR(Australian Tertiary Admission Rank)に移行しました。
この変更により、2020年の卒業生はATAR制度下での初の卒業生となりました。
ATARとは
ATARは、学生が同世代の中でどの位置にいるかを示すランクで、00.00〜99.95の数値で表されます。より細かい評価を行うためにOPの代わりに導入されました。
例えば、日本の偏差値のように、個々の学力が全体の中でどの程度かをわかりやすく示すことが目標とされています。
オーストラリアの教育制度|日本と違う学期編成
日本の学校は一般的に3学期制ですが、オーストラリアの学校では4学期制が採用されています。
小学校|中学校|高校 | 時期 | 季節 |
Term1 (1学期) | 1月下旬〜4月上旬 | 夏〜秋 |
Term2 (2学期) | 4月下旬〜6月下旬 | 秋〜冬 |
Term3 (3学期) | 7月中旬〜9月下旬 | 冬〜春 |
Term4 (4学期) | 10月〜12月上旬 | 春〜夏 |
オーストラリアと日本の小学校の違いを別記事でも紹介していますので、興味のある方は以下からチェックしてみてくださね^ ^
参考までに、
オーストラリアの多くの大学は2学期制で編成されています。
大学 | 時期 |
Term1 (1学期) | 1月下旬〜6月下旬 |
Term2 (2学期) | 7月下旬〜12月上旬 |
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参考オーストラリアでは大学の学費は奨学金で無理なく行けるって本当?
オーストラリアの教育制度|学校とカリキュラムについて
驚くかもしれませんが、オーストラリアの学校では教科書がほとんど使われていません。
オーストラリアの授業では、先生がプリント教材を配布したり、コンピューターを使って学習します。
オーストラリアの教育制度|公立学校 VS 私立学校
オーストラリアには公立学校と私立学校があり、それぞれに特徴と違いがあります。
参考までに、
公立の学校と私立の学校の特徴を以下にまとめてみました。
公立学校
- 学費は基本的に無料(ただし文房具や制服、キャンプなどの活動費は別途必要です)
- 学校の施設はやや古い場合が多い
- 宿泊施設はない
- 一定宗教である必要はない
- 学区内に住んでいれば入学が比較的容易
私立学校
- 公立に比べて学費が高い
- 施設が比較的新しく、充実していることが多い
- 入学に条件がある場合もある
- 人気校では事前の予約が必要
- 寮が設備されている学校もある
どちらを選ぶかは、家庭の教育方針やお子さんの適性に合わせて考えるのが良いでしょうね。
オーストラリアの教育制度|カリキュラムについて
オーストラリアでは、Year1(1年生)に入る前に、1年間の準備期間としてPrepプレップで基礎的な生活スキルを学びます。
プレップに入る際に、次のようなことができているとスムーズにスタートできますよ。
- 簡単な指示を聞いて従える
- 必要なことを先生や他の人に伝えられる
- 自分で服を着たり、食事ができる
- 他人と物を共有したり、順番を守れる
- 先生や友達の話を理解できる
オーストラリアのYear1からYear10までの主なカリキュラムでは、以下の8つの学習分野が基本となります。
- 英語 (English)
- 数学 (Mathematics)
- 科学 (Science)
- 健康と体育 (Health and Physical Education)
- 人文学と社会学 (Humanities and Social Science)
- 芸術 (Arts)
- 技術 (Technologies)
- 英語以外の言語 (Languages)
参考までに、
オーストラリアの授業には宗教教育も含まれる場合があります。
ただし、公立学校では、親の判断で宗教の授業を免除することも可能です。これは、多様な価値観や文化を尊重するオーストラリアらしい制度ですね。
オーストラリアの教育制度|小・中で受ける全国テストNAPLANとは?
オーストラリアでは、『NAPLAN(ナップラン)』という全国共通のテストが2008年に導入されました。
このテストは毎年5月に実施され、小学生から中学生を対象に行われます。
NAPLAN(ナップラン)とは
National Assessment Program-Literacy and Numeracy の略です。
NAPLAN(ナップラン)テストは小学生から中学生の間で4回行われますが、対象となる学年は以下通りです。
NAPLAN(ナップラン)を受ける学年
- Year3(小学3年生)
- Year5(小学5年生)
- Year7(中学1年生)
- Year9(中学3年生)
また、NAPLAN(ナップラン)テストは以下の点で評価されます。
NAPLAN(ナップラン)で評価されるポイント
- 読解力 Reading
- 文章力 Writing
- 基礎英語能力 Language Conventions
- 計算能力 Numeracy
NAPLANEの結果を通じて、オーストラリア全体の平均と各生徒の学力レベルが比較され、自己評価を行うことができます。
良い成績をとった生徒は学校で表彰されることもあります。
参考までに、オーストラリアの子供たちは、レポートカードという形で通常の成績評価を受けます。
A:標準から新しい状況に転用可能な概念的な理解とスキルの洗練を示しています。
B:標準から概念的な理解とスキルの洗練が発展しつつあり、これが新しい状況に転用され始めています。
C:必要な概念的な理解とスキルを習得し、それらを馴染みのある状況で適用できることを示しています。
D:標準から必要な準備からの必要な概念的な理解とスキルをまだ発展させつつあり、馴染みのある状況でそれらを適用し始めていることを示しています。
E:標準を満たすために必要な概念的な理解とスキルをまだ習得しておらず、支援された状況でしか適用できないことを示しています。
N:判断を下すには十分な証拠がありません。
オーストラリアの教育制度|日本のような受験がない!?
オーストラリアには日本のような受験戦争は存在しません。
日本では、高校3年生になると受験勉強に集中し、中には塾に通ったり家庭教師をつけたりして大学受験に臨むのが一般的ですよね?
しかし、オーストラリアではYear12 (12年生)に進んだ時に行われるテストと、2020年から導入されたATARという数値によって、大学のランクを選んで進学します。
そのため、日本のような受験という形式はありません。
これは日本の教育制度で育った私には少し新鮮に感じますが、個人的には良いのか悪いのか・・・つい勉強やら日本の教育やらが気になってしまいます^^;
そこで、わが家の子供たちは日本の通信教育を取り入れました。
わが家では、オーストラリアの教育体系に合わせつつも、日本の通信教育を取り入れて学ばせました。
オーストラリアにも公文やアジア系の方が経営する塾などもありますが、私個人としては通信教育がわが子にはあっていたので、ストレスなく子供のペースで学べてよかったです。
通信教育に興味のある方は、別の記事『中学生におすすめのタブレット学習を料金で比較!安いのはどれ?』もご覧くださいね♪
ただし、海外の大学は入りやすいけれど、卒業が大変という話をよく耳にしませんか?
そうなんです。オーストラリアの大学も入るのは比較的簡単ですが、入学後はかなり忙しくなります。
大学に入ると、課題やレポートの量がたくさんあります。
もちろん、学部によって異なりますが、期日までに提出しなければならない課題がたくさんあります。
わが子を見ていても、「頑張ってるな〜」と感心することがよくありました。
そのため、大学に入ったからといって安心して遊んでいると、卒業できなくなってしまうので、注意が必要です^^;
オーストラリアと日本の教育ランキング
教育レベルは国によって異なりますが、先進国の人々は開発途上国の人々と比べて、少なくとも基本的な高校教育を受けていることが多いですよね。
そこで、世界の教育レベルについて調べたところ、2つの組織から教育ランキングが発表されていました。
順位 | OECD(経済協力開発機構)の調査 2018 |
U.S.Newsの調査 2020 |
1 | 英国(United Kingdom) | アメリカ合衆国(United States) |
2 | アメリカ合衆国(United States) | 英国(United Kingdom) |
3 | カナダ(Canada) | ドイツ(Germany) |
4 | ドイツ(Germany) | カナダ(Canada) |
5 | フランス(France) | フランス(France) |
6 | オーストラリア(Australia) | スイス(Switzerland) |
7 | スイス(Switzerland) | 日本(Japan) |
8 | スウエーデン(Sweden) | オーストラリア(Australia) |
9 | 日本(Japan) | スウエーデン(Sweden) |
10 | オランダ(Netherlands) | オランダ(Netherlands) |
OECDの調査結果によると、アメリカは世界で2番目に優れた教育制度を持ってるとされていますが、数学や化学などのベンチマークが他の多くの国よりも一貫して低いスコアを示してるという点が指摘されています。
オーストラリアの教育制度|日本との違い【まとめ】
オーストラリアの教育制度、日本と比べてどうでしたか?
それぞれの国で文化が異なるように、教育制度ももちろん同じではありません。
わが家の長女も今年大学を卒業しましたが、同じ年齢の子供を持つ日本のお友達の話を聞くと、受験がどれだけ子供にも親にとって大変なものなのかを実感します。
オーストラリアには受験戦争がなく、子供たちが自分のペースで進んでいける環境が整っていることは、本当にありがたいと感じます。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。
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